2017年11月30日木曜日

幸福な人生とは?

今年は、山一証券の破綻からちょうど20年目となるそうです。記者会見で「社員は悪くない」と号泣する野沢正平社長(当時)の姿が印象に残っていますが、当時の山一の社員たちは突如勤め先を失い、否応なしにその後の人生が大きく変わりました。しかし、この体験によって覚醒し、あたかもショック療法で蘇生したかのように人生を好転させた人達も少なくなかったのではないでしょうか。

サラリーマン生活は、知らず知らずのうちに人を受け身体質、依存体質にしてしまい、会社に自分の人生を委ねたような生き方になりがちです。大企業での給与生活者の人生を歩んでいるうちに、いつのまにか自己責任で生きることを忘れ、何事も会社に責任転嫁して稼ぐ能力や胆力を退化させてしまうのです。ですから、山一証券が平穏で破綻しなければ平凡なサラリーマン人生を歩んだような人達が、この体験によって逞しく生まれ変わり、起業するなどで経済的にも大きな成功を収めているケースも多いのではないでしょうか。

脳科学的には、平穏無事な日々は、脳を衰えさせるそうです。想定もしなかったような困難に幾度となく行き当たる人生のほうが、それを乗り越える為に脳や生命力が活性化します。「幸福な人生」というと、何ごともない平穏無事な人生をイメージしがちですが、波乱万丈な人生こそ幸福と言えるのかもしれません。

散り散りばらばらになった山一の元社員の人達が20年ぶりに同窓会をやっている光景がテレビに映っていましたが、みんなで山一の社歌を歌っているその人達の姿をみて、そんな風に思いました。

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