2017年10月26日木曜日

ME-BYOサミット神奈川2017

百歳時代到来に備えた健康長寿社会の実現は、先進各国にとって大変重要なテーマですが、世界でもトップクラスの長寿国である我が国には、課題先進国として、他国の参考になるような取り組みが期待されています。

神奈川県は、逸早く「未病(ME-BYO)」というキーワードを使って、いわゆる「健康特区」の県内設置や「マイ未病カルテ」の普及などに自治体として尽力してきましたが、衆院選直前の週末、箱根のホテルで丸二日間にわたり、第二回目の「ME-BYOサミット」と名付けた国際シンポジウムを主催しました。ご縁があって、私は一昨年に開催された初回に続き、今回は「IoHHでつくるME-BYOヘルスケア」というセッションを受け持ち、専門家の皆さんと活発なパネルディスカッションを行いました。

ゲストスピーカーには、前WHO事務局次長アサモア・バー氏や、医師で元宇宙飛行士の向井千秋氏が参加されましたが、向井氏の宇宙から見た健康のお話には非常に多くのインスピレーションをいただきました。「宇宙医学」という言葉もあるようですが、重力のない宇宙空間に長く滞在すると、人の骨格や筋肉は大きくダメージを受けるそうで、宇宙放射線の影響で発ガン率なども上昇するそうです。何より興味深く思ったのは、地球環境が人を始めとした地球の生命体に大きな影響を与えるわけですが、各種衛星を活用して、宇宙から「地球圏総合診断」を行うことが、ライフイノベーションや人類の健康管理に有効であるというお話でした。

8月から、「ウェザーニューズ」という民間の気象予報会社にも関わっていますが、宇宙から見た地球や大気のデータが気象予報の分野に革新をもたらしたように、今後は「健康予報」のような形で人工衛星の公衆衛生利用が広がっていくことでしょう。