2014年12月31日水曜日

大晦日から元旦へ

日本人の一人として、日本に生まれてよかったと心の底から思える瞬間は数多くありますが、大晦日や元旦もそうです。

「師走」は文字通りの慌ただしい日々が続きますが、これは、年が変わる前に仕掛かったことをすべてやり遂げてしまおう、という日本人の「けじめ」を大切にする精神性から来ているように思います。それに加えて、クリスマス商戦、年末の大売り出しなど、商売の面でも年の瀬はかき入れ時で、多くの人達が本当に忙しく動き回っています。

それが、大晦日を経て元旦を迎えたとたん、急に静かで清らかな雰囲気へと一変します。暦が一日切り替わっただけなのに、「動」から「静」へと、世の中が一瞬で転換します。大晦日から元旦に切り替わるこの瞬間は、過ぎ去った一年を想い、新しく始まったばかりの一年への決意や期待が交錯する特別な時間です。この瞬間を大切に思う気持ちは世界共通だと思いますが、さまざまなしきたりや行事の多さからみても、ことさら日本人のこだわりは強いのではないでしょうか。

さて、先日の衆院選は、当初の予想通り、戦後最低の投票率で盛り上がりに欠けたまま与党の圧勝に終わりました。自民党はこれで禊(みそぎ)が済んだつもりになっているのかもしれませんが、年明け以降、驕ることなく、幾多の難題に是非気持ちを新たに取り組んで欲しいものですし、我々も頑張らねばなりません。新しい年が素晴らしい年となることを心から願っております。

今年も皆様には大変にお世話になりどうもありがとうございました。どうか良いお年をお迎え下さい

2014年12月9日火曜日

割れ窓理論

受け売りの話で恐縮ですが、アメリカの犯罪学者、ジョージ・ケリングという人が提唱する「割れ窓理論」というのがあるそうです。建物の窓ガラスがどこか一ヵ所割れていて、それを割れたまま放置していると、やがてほかの窓もすべて割られてしまうというものです。

かつてのニューヨークはアメリカ有数の犯罪都市でしたが、2001年9月11日の同時多発テロの時に「世界の市長」と称賛され有名になったルドルフ・ジュリアーニ元市長が、1994年に市長になった時に犯罪撲滅を宣言し、このケリングを顧問にして、「割れ窓理論」を参考に治安対策に取り組みました。地下鉄の落書きを完全に消すなど、街全体を徹底的にきれいにしたところ、それに伴って治安も良くなっていったそうです。今や日常のニューヨークは昔に比べるとずいぶんきれいで安全な街になりました。

人間は、このように他人や環境にとても影響されやすいもので、日本にも「朱に交われば赤くなる」という言葉があります。脳科学的にも、自分は運がいいと思うと運が良くなり、運が悪いと思うと運が悪くなるそうです。ネガティブな人にはネガティブなことが起き、ネガティブな人達とネガティブな話ばかりしていると、幸運は間違いなく逃げていくそうです。また、常に誰かの悪口や愚痴を言っているネガティブな人と付き合っているとどうしても感化され、気付くと自分もそのような人になってしまいます。とても怖いことです。

だからこそ、「いい人」と付き合うべきです。プラスの影響を受けるような人と付き合って、自分をいつもポジティブな状態にしておくことが大切です。大企業や大きな組織のなかには、常に職場や上司の悪口を言っている人が必ずいるものです。最近は「ディスる」という言葉もありますが、飲みに行っても愚痴や悪口が好きな人で溢れています。できるだけ、そういう人達とは距離を置いて付き合わないことです。

私も、独立してからは、自ら稼いでいる人達や自分のアジェンダで生きている人達と交流する機会が格段に増えました。そういう人達は、皆さん、いつもポジティブで理想に燃え、元気で明るく生き生きしていてエネルギーに溢れた方が多いように感じます。

「真剣だと知恵が出る、中途半端だと愚痴が出る、いい加減だと言い訳ばかり」という言葉もあります。「命懸け」という言葉もすっかり死語のようになりましたが、常に元気で、真剣に、命懸けで生きて、愚痴や言い訳とは無縁の日々を目指したいものです。