2014年4月25日金曜日

世代交代の醍醐味

今年のオーガスタでのマスターズは、タイガー・ウッズの欠場、フィル・ミケルソン、アーニー・エルスなどの有力選手の予選落ちで最終日のテレビ視聴率が過去10年で最低だった、と報道されている。しかしながら、最終日のバッバ・ワトソンと、ジョーダン・スピース、ジョナス・ブリクストとの激闘には息詰まるものがあり、バッバ・ワトソンが8アンダーで優勝した瞬間にはやはり胸を打たれた。プロアスリートの真剣勝負には常に心の琴線に触れるストーリーがある。

ところで、「マスターズ17年の法則」というものがあるらしい。1963年、当時23歳2ヶ月17日だったジャック・ニクラスは5度目の出場で「マスターズ」を初制覇し、当時の大会最年少優勝記録を更新した。その17年後、1980年に優勝したのはスペインのセベ・バレステロスで、このとき彼は23歳4日で、ニクラスの最年少記録を更新した。さらに17年後の1997年、タイガー・ウッズが2位に12打差をつける圧勝で「マスターズ」の最年少優勝記録(21歳3ヶ月14日)を塗り替えウッズ時代が始まった。今年はそれから17年後の2014年だったので、もしも20歳のジョーダン・スピースが優勝していたらこの法則が延命したので、その話題でも注目が集まっていたが、残念ながら3打及ばなかった。

日本でも、先週の熊本でのバンテリン・レディースではアマチュアで15歳9ヶ月の勝みなみ選手が優勝して話題となった。インタビューでの受け答えも15歳とは思えない堂々たる貫録で、今後の世界に向けた活躍が楽しみな新人だ。

どの世界でも若手の台頭、世代交代というのはエキサイティングな瞬間だ。今月はちまたに新人が溢れる月でもある。街中で着慣れないスーツに身を包んだ新入社員らしい集団に出会うと、こちらも社会人になりたての頃を思い出してとても新鮮な気持ちになり、新たなエネルギーが沸き立つように感じる。ビジネスの世界においても、グローバルに活躍する若い起業家やビジネスマンから多くの新鮮で頼もしい話題をどんどん提供して欲しいものだ。

2014年4月10日木曜日

桜の不思議な力

東京では今年もあっという間に桜(ソメイヨシノ)の時期が終わってしまいました。

毎年思うのですが、桜というのは実に不思議な植物です。一年のうちにたった一度だけごく限られた短い時間に限って華やかな花を咲かせて、その後はさっと散ってしまいます。花を付けている間は、我々を前向きで元気な気分に高揚させてくれ、生命力を限りなく高めてくれるような気がします。また、花が散るときには人生のはかなさとも重ねあわせて感傷的な気分もたっぷりと味わわせてくれます。葬儀の時のお坊さんの講和の中でも「散る桜 残る桜も 散る桜」という良寛の名句がよく引用されます。生命の輝きとはかなさをこの一句の中で三度も「桜」を使うことによって余すところなく表現し尽くしているように感じます。

毎年、桜の開花を待ち焦がれ、開花と共にお祭り騒ぎをして、散る桜を見ながら人生のはかなさを思う、、、こんな植物は桜以外にはなかなか思いつきませんし、このような植物を愛でる習慣のある日本人はとても幸せだと思います。さらに付け加えると、桜は、少なくとも一年で3回我々を楽しませてくれます。花が散った後の新緑の美しさは格別ですし、秋になると紅葉が見事です。

日本の文化はこの桜という植物無しでは考えられませんが、これからも末永くこの桜という植物を大切にしてしていきながら、海外の人達にもこの素晴らしさを広く伝えて行きたいものです。