2013年1月31日木曜日

4年ぶりのNew York訪問

今週はNew Yorkに来ております。ソニー時代には毎月通うように来ていた時期もあったのですが、グーグル時代に来たのを最後に、今回のNew York訪問は4年ぶりくらいになります。ここに来るといつも感じるのはこの街から発せられている何ともいえない強力なエネルギーです。金融や小売りや芸術やエンターテインメントの世界的な拠点でもありますが、ここで一旗揚げてやろうという野心や向上心の強い人達が全米からそして世界中から集まってくるせいなのでしょうか。今週はInternational Gift Fairというイベントが開催されていたのですが、会場も世界中から集まってくる多くのサプライヤーやバイヤーの熱気に包まれておりこの街から世界中に発信される最新のトレンドを感じることが出来ました。
 
一方で、今回は、以前にも増して、都市インフラが劣化している気がしました。日本でも先日の中央高速でのトンネルの天井崩落事故をきっかけに、首都高などのインフラ劣化が議論となっていますが、市中をバスやタクシーで移動するときに交通の流れがまったく上手くいかなくなっていてちょっとした移動にも予想外の時間が掛かってしまう状態です。道路も傷んでいるところが非常に増えていて、いたるところで補修工事が行われています。昨年この街を襲ったハリケーンの被害の影響もまだ残っているようです。もちろん、地下鉄もありますし、マンハッタンの中は比較的狭いので徒歩で移動、という選択肢もありますが、寒い日や雨の日の移動はタクシーもつかまりにくくて本当に一苦労です。
 
そう考えると、東京の素晴らしさは群を抜いています。駅の自動改札やどこにでもあるコンビニエンスストア、公衆トイレのウォシュレットに至るまで、便利で快適なことはこの上ないと思います。東京では当たり前のモノやサービスでも、世界の大都市New Yorkですらあり得ない様なモノやサービスであることにあらためて気付かされます。日本で皆が享受しているような生活の便利さや快適さを、世界にもっと発信、拡散していくことにはまだまだいくらでも余地があるのだということを改めて感じています。

2013年1月10日木曜日

潮目は変わった

2013年も既に10日余りが過ぎましたが、あらためまして新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

年末に政権も自民党に戻り、第二次安倍内閣は直ちに経済再生最優先で精力的に動き始め、緊急経済対策の策定や産業競争力会議の組織化などのアクションも迅速です。結果的に株価や為替も好感しており、2013年は近年になく明るいスタートになったと感じております。とにかく、早急なデフレ脱却と成長戦略の確実な実行に大いに期待したいと思います。

一方で、確実に経済を再生させるためには、当然、政府に任せているだけでは駄目で、我々国民の一人一人が潮目が変わったことをきっちりと認識して力強く前に向かって進んで行く姿勢も大事だと思います。民主党政権下の暗黒の3年間ですっかり沈滞してしまった人々の意識が後ろ向きなまま変らなければ、せっかくの政権交代をチャンスとして活かして行くことになりません。今はまず、世間の雰囲気を明るくすることが肝要です。そういう意味では、たとえば2020年のオリンピックの東京招致なども日本全体を明るくする好材料ですから、国民の関心を高めて国家プロジェクトとして何が何でも招致を勝ち取る、といったムードを一気に盛り上げるようなことも大いに有効だと思います。

先日、「日本経済復活のカギは?」というテーマでテレビ朝日の朝の番組に出演した時にも申し上げたのですが、家電や製造業があらためて活性化していく為には、①人のコピーではなくて新しい領域を開拓する ②生み出した商品は国内だけでなく最初から世界で同時に販売する というスタンスが肝要です。Chris Andersonの"Makers"という本が話題になっていますが、インターネットの発達や、ハードウェアのダウンサイズ・低価格化の結果、製造業も大きく変遷しつつあります。今や高度な3DCADや3DプリンターがPCベースで家庭でも使える時代で、「デスクトップ工房」などという言葉も生まれています。また、開発資金の集め方や、人手の確保などの面でも、いわゆるCrowd(群衆)の力を活用する手段が増えています。弊社のALEXCIOUSCOUNTDOWNもそういう流れを意識して開発したものです。

真の経済再生の為には、昔の日本がそうであったように、まず、未知の領域に果敢に挑む開拓者精神を取り戻すことが何よりも重要なことだと思います。そして、20世紀の延長線上で発想したり行動するのではなく、ネットやソーシャルやクラウド(Cloud、Crowd)をキーワードとした21世紀の新しいスタイルを生み出しながらやり遂げて行く必要があるのです。