2012年3月30日金曜日

プロフェッショナルとは?

スタートアップは悲喜こもごもだが、いつも思うのは、トンネルに入っても前に進んでいる限りは必ずいつかは抜ける、ということである。我々もご多聞に漏れず、既にいくつものトンネルをくぐってきた。しかしながら、並の人は、トンネルに入ると、暗くなって(笑)、前も見えないし、すぐに抜けるトンネルなのか、長く続くトンネルなのかがわからずに不安になったり、弱気になったり、愚痴を言ったり、右往左往したりする。しかし、そういう時に大切なスタンスは、平常心というか、「プロフェッショナルたれ」ということに尽きるように思う。いたずらに浮足立つのはアマチュアの証拠だ。
 
プロのアスリートは、自分を信じ、結果が出るまで、結果を出す為に自分自身がやるべきことを常に自省しつつ考え抜いてクリアにし、そのやるべきことを労を惜しまずに無駄なく黙々とやり続ける。たとえば、私のイチローのイメージは、一本のヒットや一本のホームランを打つ為に、自分の日々の課題を明確にして黙々と単調なトレーニングをやり続けているイメージだ。トレーナーや周囲の人達とのコミュニケーションにも手を抜かず有効なトレーニングや食事などにも細かく気を使う。スランプになっても、彼が愚痴や弱音を吐いているような光景は想像できない。石川遼君もきっとそうだろう。我々も、本来、彼等とまったく同じで、日々、結果を出す為にやるべきことを先回りしてやり続け、情報収集や周囲とのコミュニケーションをサボらず、いたずらな不安や余計な悩みで時間を一切ロスすることなく粛々と今やるべきことを明確にしてやり続ける、ということが肝要だと思う。打った手が効かなければまたすぐに次の手を打つ、それの繰り返しだ。効果や結果がすぐに出なくても、忍耐強くやるべきことを実行し続けてさえいれば、そのうち、その水面下での一つ一つの努力や打ち手の積み重ねが効き始めて、目に見える結果につながる日が必ず来るのだと思う。
 
スタートアップには数々の難所が待ち構えている、まず渡り切らねばならないのは「魔の川」や「死の谷」。そして、それらを無事に渡り終わった後には「ダーウィンの海」 を泳ぎ切って行かねばならない。これから先に待ち構えているであろう数々の難所のことを想像するだけでもチャレンジ精神が高揚する。

2012年3月19日月曜日

ロボット掃除機に思う

しばらく前に添付のような記事を読んだ。

日本の家電各社が「ルンバ」を作れない理由 国内製造業の弱点はそこだ!!

もっともな論点であるが、こういう議論の前に、そもそもこの「ルンバ」は米国のiRobot社の発明商品である。iRobot社は1990年にMITのAI研究者3名によって設立された軍事用や産業用、家庭用のロボットを設計開発する会社だ。このルンバの初代モデルは2002年に発売されている。

昨年、東芝が「ルンバ」の対抗モデルを発売したが、そのCMを見た時に、ただのコピー商品にしか見えないことに失望した。更にがっかりしたのは、東芝はそれを自社で商品化したわけではなく、韓国メーカーからのOEM商品として市場導入したようだ。日本の家電メーカーがプライドというものを完全に無くしてしまっている典型的なケースと言ってしまうと、言い過ぎだろうか。。。

昔、ソニーは人のやらないことを真っ先にやる企業だった。それを当時の経済評論家の大宅壮一氏から、「ソニーは東芝のモルモットのようなものだ」と揶揄された。それからずいぶん長い時間が経過したが、今の日本の家電各社は極端な採算悪化に苦しんでいる。人が何か面白いものを出したら、それをコピーする文化はもういい加減返上して、あっちがあの手なら、こっちはこの手で行こう、という気概で人のやらない新商品を考えて欲しい。そしてそれが日本の家電産業がよみがえる唯一つの道であると思う。

2012年3月15日木曜日

♪ 雪やこんこん

今朝の通勤の地下鉄の中で、母親に連れられた幼子が、「♪雪やこんこん」を口ずさんでいた。まだこんな童謡が時代を超えて歌い継がれているのかと心がくすぐられた。調べてみたら、1911年の『尋常小学唱歌(二)』初出の文部省唱歌。作者は不詳。「こんこん」ではなくて「こんこ」が正しいらしい。

♪1:雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ。 降つては降つては ずんずん積(つも)る。 山も野原も 綿帽子(わたぼうし)かぶり、枯木(かれき)残らず 花が咲く。

♪2: 雪やこんこ 霰やこんこ。 降つても降っても まだ降りやまぬ。 犬は喜び 庭駈(か)けまはり、猫は火燵(こたつ)で丸くなる。

何でもない歌詞なのだが、日本の美しい原風景が豊かに目の前に拡がり、犬と猫の違いなども生き生きと見事に表現しきっている素晴らしい歌詞であるとあらためて思った。